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ホンダ・ジョーカー90 #56 ディスクブレーキオイル(ブレーキフルード)のエア抜き方法(おじさん流)

ホンダ・ジョーカー90のディスクブレーキ経路のエアー抜き画像

ジョーカー90に半年間以上乗らずに放置していた結果、不具合が発生。

ジョーカー90の車体を移動させて気が付きました。

フロントブレーキのレバーを握ってもスカスカで、軽く握っただけでアクセルにブレーキレバーがあたってしまいます。

ホンダ・ジョーカー90に半年以上乗らずに放置しておいた結果、ブレーキオイルが減ってしまってフロントブレーキが全く聞かない状態

フロントブレーキが全く効かない状態です。

ブレーキオイルが漏れている様には見えないのですが、購入当時からオイル確認窓がひび割れて、中のオイル量の確認がほとんど出来ていないので、ブレーキオイル不足を疑ってみました。
→結果:ブレーキオイル量は充分あるのですが、ブレーキオイルに空気が混入してしまい、フロントブレーキが効かない状態になってしまっていた様なので、ブレーキオイルの空気抜きを行った結果、修理完了!フロントブレーキが効くようになりました。

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ブレーキレバーを握っても手ごたえが無く、ディスクブレーキが全く効かない!

半年間以上乗らずに放置していたジョーカー90を、整備場所に移動させた時点で気が付きました。

フロントのディスクブレーキレバーを握った時に、手ごたえが無くスカスカの状態で、ブレーキレバーがアクセル部分(ハンドル)にあたってしまいました。

ブレーキオイルが漏れて出た様には見えないのですが、3年前にこの車体を購入してから、ブレーキオイル量の確認を行っていません。
(ブレーキオイル量の確認窓は細かくヒビが入っていて、中のブレーキフルードの量を確認する事が出来ません)

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教科書(ジョーカー50のサービスマニュアル)で、ブレーキの効きが悪い場合の原因を確認

ホンダ・ジョーカー50のサービスマニュアルから抜粋

油圧ブレーキ装置 整備情報

作業上の注意

△!注意
ブレーキ性能を失うため、ディスクやパッドに油脂類を付着させないこと。万一付着した場合は、パッドを交換し、ブレーキディスクを脱脂すること。

  • ブレーキ液交換時に、ゴミや水を混入させないこと。
  • 化学変化を防止するため、銘柄の異なるブレーキ液を混合押しないこと。
  • ブレーキ液は塗装、プラスチック、ゴム面を傷めるため、部品類に付着させないこと。
  • 分解した部品はブレーキ液で洗浄し、圧縮空気などで各ポートの通気を確認すること。
  • 油圧系統に空気が混入した場合は、油圧系統のエア抜きを行う。

故障診断

ブレーキの効きが悪い

  • ブレーキ系統に空気が混入している
  • ブレーキ液の吸湿による劣化
  • ブレーキパッド、ディスクの汚れ
  • マスターシリンダピストンシールの摩耗
  • ブレーキパッドの摩耗
  • キャリパ内部の汚れ
  • キャリパスライド部の摺動不良
  • ブレーキパッド、ディスクの方減り
  • ブレーキ液の不足
  • ブレーキ液経路の詰まり
  • ディスクの歪み、変形
  • キャリパピストンの固着、摩耗
  • ディスクの摩耗
  • マスタシリンダ内部の汚れレバーの変形

と、サービスマニュアルには書かれています。

今回の症状は、ブレーキレバーを握っても何の抵抗も感じないという事なので、原因は何点かに絞られます。

ブレーキフルード量の不足で、ディスクブレーキが効かないのではないかと考え、確認。

サービスマニュアルには、油圧オイルの補充するという項目は無いのですが、近々油圧ブレーキ一式をオーバーホールした物と交換する予定なので、今回はブレーキフルードの補充を行って、その場しのぎで一時的にブレーキを効かせる事が出来るようにします。

ブレーキフルード確認窓に細かくヒビが入っていて中のブレーキオイル量が確認できないので、ブレーキフルードタンク一体式マスターシリンダーの蓋を取り外して、オイル量を確認。

ジョーは―50のサービスマニュアルには、
ハンドルを左に切ってマスタシリンダ上部を水平にし、マスタシリンダキャップ、セットプレートを取り外す。と書かれています。

しかし、おじさん(筆者)のジョーカー90はノーマルハンドルより幅が狭い物に交換されている為か?ハンドルを左に切ってもマスタシリンダ上部が水平になりません。
ノーマルハンドルであれば、マスタシリンダ上部が水平になるのでしょう。

しかし、マスターシリンダーの蓋を取り付けているネジが、親の敵うちか?というくらい固く締まっていてネジの頭をなめてしまい、その後 何とかしてネジを外しました。

なめてしまったネジの外し方(プラスネジの溝を潰してしまったネジを外す方法)
数年ぶりにラスネジの溝を潰してしまいました。原因は、これまで何度も使用しているインパクトドライバーの使い方に問題があったためです。ここでは、完全に丸くなってしまったプラスネジを実際に取り外した方法2種類プラスαを紹介します。

ちなみに、この部分のネジの締め付けトルクは、ジョーカー50のサービスマニュアルで確認すると、
規定トルク:2N・m(0.2kgf・m)です。
(ネジが根元まで軽く締め付けられていればOKなレベルです)

この固体もそうなのですが、ヤフオクで格安で購入した物も、なぜか短いネジで取り付けられていました。
パーツリストで確認すると、純正部品であればこの部分はM4×12の皿ネジが使われている筈です。

ホンダ・ジョーカー90のマスターシリンダーのキャップ(蓋)固定してあったネジと、メーカー純正サイズのネジ比較の画像

左側が今回取り外したネジ
右側が新しく購入したM4×12mmのネジです。

固着したネジを何とか取り外し、ブレーキフルードを確認すると、

ホンダ・ジョーカー90のマスターシリンダーのキャップ(蓋)外して、ブレーキフルードの量を確認した画像

予想が外れ、ブレーキフルードは充分な量がありました。

ブレーキフルードというよりは、泥水と表現した方が良いような状態ですが、今はブレーキフルードの状態は抜きにして、量に注目します。

ブレーキフルードが減ってしまい、ブレーキレバーを握っても何の手ごたえも無くなってしまったのではないのか?という予想は外れました。

ブレーキフルードが充分あるのに、半年以上放置しただけでブレーキレバーを握っても反応しない理由を推測。

ブレーキフルードとはどのような物なのか?調べてみました。

ブレーキフルードの特性

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、低温で凍らず、高温で沸騰しない特性を持ち、ブレーキレバーを握る力を油圧に変換してブレーキパッドに伝達する役割があります。

ブレーキフルードは、吸湿性を持ったオイルなので、長く使用しているとオイル内に水分が含まれるようになります。

水分が多くなると、沸点が下がってしまいます。
沸点が低いと、ブレーキをかけたときに気泡が発生して油圧を吸収してしまう(気体は圧縮されると容積が小さくなるので液体のように圧力をそのまま伝達することができなくなります)ので、オイルによる伝達効率が低下することでブレーキレバーの握り応えがなくなる「ペーパーロック」というトラブルが引き起こされます。

ペーパーロック現象という言葉自体は免許証を取得する時に勉強したはずですが・・・こういう原理で、古いブレーキフルードを使い続けると発生しやすくなるんですね。

ジョーカー90のブレーキフルードは、DOT3 or DOT4 の物を使うことになっています。

DOT3はドライ沸点が205℃以上、ウェット沸点が140℃以上。
DOT4はドライ沸点が230℃以上、ウェット沸点が155℃以上となる規格です。
ドライ沸点とは吸湿率0%の状態。
ウェット沸点は、吸湿率3.7%で、1〜2年経過した状態を想定した状態を想定

ブレーキフルードの劣化の見分け方は、色で見分けることができ、
新しいブレーキフルードはほぼ無色透明ですが、劣化をしてくると黒に近い茶色になったり濁ったりするそうです。

今回の、ジョーカー90のブレーキフルードの場合、見た目がほぼ泥水なので、かなり劣化した状態になっているようです。

ディスクブレーキを作動させた時には、
高速で回転しているブレーキディスクをブレーキパッドで挟み込む摩擦によって高熱が発生するため、水を含んで沸点が下がった状態のブレーキフルード内に気泡が発生する可能性がある事はわかりました。
 しかし、今回のパターンでは、全くブレーキを使わずに半年以上放置した結果、ブレーキレバーを握ってもブレーキが反応しない状態です。

以上のことを踏まえたうえで、おじさん(筆者)の推測を述べますと、

かなりの量の水分を吸収したブレーキフルードが、連日の猛暑により熱せられたことによりブレーキフルード内に水蒸気のような物が発生して、ブレーキレバーを握る力をブレーキに伝える事が出来なくなってしまっている状態だという推測結果になりました。
(いわゆる、エアーの噛み込み状態だと推測しました)

ホンダ・ジョーカー90のディスクブレーキの配管経路の中で空気がたまっていると思われる場所の説明画像

サービスマニュアルの 故障診断 ブレーキの効きが悪い の最初の項目
・ブレーキ系統に空気が混入している。
という状態に当てはまる と推測します。

他のバイクの場合は、ブレーキ系統に空気が混入してしまっても長期間放置しておけばブレーキフルードタンク内に空気が移動する可能性もありますが、

ホンダ・ジョーカーはアメリカンバイクの雰囲気を醸し出す為に、ブレーキ系統の配管をわざわざ一旦上にあげてからディスクブレーキへ下げています。

と言う事は、上の写真で表した、ブレーキ配管が曲がっている一番上の辺りに空気が混入しているという事になります。

通常の、ブレーキフルード交換時のエアー抜きは、ディスクブレーキ部のブリードバルブから空気を抜くのですが、今回の推測があているとすると、他の方法でエアー抜きを行った方が良さそうです。

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いつの間にかたまってしまったブレーキフルード配管内のエアー抜き作業

オイルタンク一体式のマスターシリンダーの蓋を元通り取り付けて、ハンドルから外します。

ホンダ・ジョーカー90のマスターシリンダーからブレーキランプスイッチを取り外した画像

この時、ブレーキランプのスイッチが邪魔になるので取り外します。

ホンダ・ジョーカー90のディスクブレーキ系統の空気抜き説明画像

ブレーキ配管ホースの途中に空気がたまらず、マスターシリンダーに空気が抜けるように配置します。

この時は、ハンドルとアクセルワイヤーの間にマスターシリンダーを挟み込んで軽く置いておきました。

このまま24時間くらい置いておけば空気が抜けそうなのですが、
空気が抜ける穴はとても小さな穴です。

ホンダ・ジョーカー90のマスターシリンダーの内部説明画像

例えが思い浮かばないのですが…

液体を入れた容器に小さな穴から空気が入る場合には、スーッと真っ直ぐに空気が入るのではなくポコポコと丸い形になって空気が入り込んできます。

液体の表面張力で、空気が素直に出てくれない可能性を考えて、少しマスターシリンダーに刺激(衝撃)を与えます。

ホンダ・ジョーカー90のディスクブレーキ系統の空気抜き説明画像②

マスターシリンダーに振動(衝撃)を与えるのは簡単です。

マスターシリンダーを左手で押さえて、ブレーキレバーの端を右手で2~3cm引いてパッと離してマスターシリンダーに刺激を与えます。
(バネの力でブレーキレバーが元の位置に戻った時に、小さな衝撃が発生します)

ほんの少しの振動(衝撃)でも、表面張力で上にあがる事が出来なかった気泡を抜く効果はあるはずです。

この作業を、時間を置いて何度か行い、24時間後にブレーキの動作確認を行いました。

❕ 成功です。

ブレーキレバーを引くとちゃんと手ごたえがあります。

ホンダ・ジョーカー90のディスクブレーキの配管経路内の空気抜きを行い修理完了の画像

この後、ハンドルに取り付けて、前輪を手で回してブレーキをかけてみたところチャンとブレーキがかかりました。

ブレーキを握った状態にして前輪を手で動かそうとしても動きません。

ブレーキフルードは、交換しなければいけないほど劣化していますが、とりあえずディスクブレーキが効かない状態の修理は一旦完了とします。

後日、ヤフオクで落札したディスクブレーキユニット一式に交換・新しいブレーキフルードを入れる事にします。

以上、

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