このジョーカー90は、サイドスタンドの取り付け部(本体側)のネジが無くなっており、前に修理したのですが、
サイドスタンド自体も遊び(がたつき/隙間)が大きく、駐車時にかなり傾いています。
前に修理した時にネジの増し締めで少しはまともになったのですが、まだ気に入りません。
今回はサイドスタンドの取り付けネジ部分の遊び(がたつき/隙間)を少なくする為に何かを挟み込んで調整と、サイドスタンドが前に倒れすぎているので角度修正を行います。
サイドスタンドの取り外し
このジョーカー90はセンタースタンドの取り付け部を切断されている為、センタースタンドを取り付けられない状態です。
油圧ジャッキを左右2台使って車体を安定させます。
17mmのメガネレンチでセンタースタンドの取り付けネジを緩めます。
ここで、スプリングを先に外した方が良いのではないか?と思い作業中断
バネを取り外す為に、ドライバー2本を使って悪戦苦闘の後ようやくバネの取り外し完了。
後にセンタースタンドの取り付け時になって、この努力は無駄な努力だったことが判明しました。
バネが付いた状態のままで、サイドスタンドの取り付けネジを緩め、
ネジを抜き取る時にサイドスタンドをしっかりと押えてネジを引き抜けば大丈夫です。
サイドスタンドのガタつき寸法の測定
サイドスタンドを外してみると、カラー/スペーサー?がはまっていました。
カラー/スペーサー?を外してみると、簡単に取り外しが出来ました。
しかし まだ他にカラー/スペーサー?が残っています。
ひょっとして、カラー/スペーサー?が千切れている?
いや、そうでは無さそうです。
サイドスタンドの取付穴の両側からカラー/スペーサー?がはめ込まれていて、うまい具合に組み合わさっている物の様です。
色々な所を測って遊び(ガタ/隙間)がどのくらいあるのか確認します。
あらゆる箇所を測ってみて、おじさん(私)なりに一番信用できる部分の寸法は
サイドスタンドの取り付け部の板厚5.5mm
対して、サイドスタンドにカラーをはめ込んだ状態での内寸6.5mm
この400円デジタルノギスの誤差は±0.1mmなので、おおよそですが約1mmの隙間(ガタ)があります。
サイドスタンドのガタつきを少なくして、且つスムーズに作動させるためには0.5mm~0.7mm位のワッシャー状の物をはめ込めば良いと判断します。(独断/勘です)
カラー/スペーサー?の製作
0.5mm位の金属板や樹脂板をいろいろ探したのですがなかなかこの厚さの物が見つかりません。
スプレー缶ならばそこそこの厚さがあるだろと思い、パーツクリーナーの空き缶を切って板厚を測ってみると
0.1mmしかありません。
スプレー缶って意外と薄い板で出来ているんですね。
ようやく見つけ出した金属部品がこちら
刈払い機の安定板 ジスライザーに付属していた芯出しゲージです。
この芯出しゲージの寸法は
板の厚さ 0.4mm
段差を含めた厚さ 1.4mm
内径 10.0mm
この芯出しゲージに対して、欲しい寸法は、
カラー/スペーサー?の径が12.1mmなので、13mm位の内径に広げる必要があります。
穴径を加工して13.6mmまで広げました。
加工方法は・・・
ちょっと危ない加工方法をとりましたので秘密にしておきます。
こいつ(追加工した芯出しゲージ)を挟み込んで力技で何とかはめ込めばかなりサイドスタンドのグラつきを押さえる事が出来るのではないかとおもったのですが、・・・
おじさん(私)の力では無理でした。
結局、追加工した芯出しゲージを金槌で叩いて段差をなくし、ほぼ平らにして使用しました。
スペーサーをかまして(挟み込んで)サイドスタンドの取り付け
組付ける前に、油と土が混ざり合った汚れを落とし
サイドスタンドの動きを良くする為に、手元にあったスプレーグリースを塗布して組付けしました。
使用したスプレーグリースはクレのスーパーチェーンルブ(自転車やバイクのチェーンに使用する物です)
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出来れば、スズキ機工の超極圧潤滑剤 LSベルハンマー を使ってみたいのですが、手元に無いのでとりあえずチェーンルブを使いました。
(YouTubeなどを見るとベルハンマーの効果は凄そうなのでいつか購入して試してみたいと思います。)
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取り付けネジをしっかりと閉めこんで作業終了。
この後油圧ジャッキを外して、サイドスタンドの動きを確認。
サイドスタンドのグラ付きが少し少なくなり多少安定性が増しました。
今回作ったようなワッシャー状の物をもう一枚加えても良いかな?と考えていますが、隙間が少なすぎると動きが悪くなる可能性も出てきます。
後は、
サイドスタンドの当て止め部分が変形してすり減っていて、サイドスタンドが前に行き過ぎている状態なので、ここを何とかしたいと思います。
ここも、溶接機を持っていれば3mmくらい肉盛りをすればすぐに対応できるのですが・・・
サイドスタンドの当て止め部修正
溶接機は無いので代わりに金属片を貼り付けてサイドスタンドの角度調整を行いました。
サイドスタンドの当て止め部の、潰れて広がっている寸法は9.0mm
サイドスタンドの当て止め部の深さ?は4.4mmです。
貼り付ける金具の調達。両面テープで接着
角度調整の隙間は色々なサイズのネジを挟み込んで確認。
4~5mm位で良さそうです。
4.4×4.4mmで長さ9mm 位の硬い金属を貼り付ければ丁度良さそうです。
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思いつくのは 4ミリ角のキー材を購入して切断すれば良さそうですが、出来るだけお金をかけずに修理していく方針なので、家に有る硬い金属を探したところ・・・ありました。
すり減って交換したトラクターの耕運爪です。
長さ9mmは先端付近の部分です。
この辺りを5mm位の幅で切断して使用する事にします。
硬さは充分な硬さが有る筈です。
四苦八苦して何とか貼り付ける部品を作りました。
部材が硬すぎて金ノコギリで戦える相手ではありません。
これは(砥石)切断機で切断後、グラインダーで成形しました。
仮にはめ込んでみました。
大体良さそうですが隙間が気になるのでこの後 もう少し手直しを加えて
厚さの有る強力両面テープで接着
いい感じです。
地面に対し少し左上がりですが、ジャッキを外してサイドスタンドを使えば丁度良い位置、
地面とサイドスタンドの設置面が平行になる。 予定です。
予定通り地面とサイドスタンドの設置面が平行になりました。
厚さの有る両面テープでは張り付けた金属が不安定なので、接着剤で貼り付け直し
部品の凹凸に対応できるように。と思って厚手の両面テープで固定したのですが、サイドスタンドを解除すると張り付け部品が下方向へ押し出されます。
このままでは何時か金具を落としてきそうなので、貼り付け方法変更。
セメダインスーパーXで接着
セメダインスーパーXは、
材質:変成シリコーン樹脂 なので耐熱性・耐衝撃性は大丈夫なはずです。
問題は材料との密着強さです。
疑い始めるときりが無いのでこれで対応します。
手を接着剤で真っ黒にしながらの作業の為、作業途中の写真は有りません。
上方向への固定は養生テープを使用。
横方向の固定はサイドスタンドのバネの力で固定。
説明書きには、
〔完全効果まで24~48時間で実用強度に達します。〕
と書いてあるので、2日間はこのジョーカー90には乗らない事とします。
セメダインスーパーX 乾燥後の拡大写真です。
乾燥して少し引け(乾燥による収縮)が出て接続部分が面一(取り付け面が平面のように同じ)になっていません。
一応これで完成ですが、またこの上から他の部分も含めて覆うような形でセメダインスーパーXを塗布しておけば、より安心できそうです。
接着面周辺をセメダインスーパーXで覆うように塗布。
クッキングシート(シリコーン樹脂加工祇)を挟んでサイドスタンドへの接着を防ぎつつ、サイドスタンドで押し付け固定
ここまでやればそう簡単には接着した金属片は剥がれ落ちない。筈です。
接着面周辺をセメダインスーパーXで覆うように塗布後24時間。
綺麗に固まりました。
接着剤が接続部を覆って固まったので(モールド加工/埋め込み加工)、簡単には外れない予定です。
48時間後には表面のツヤが無くなっていました。
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説明書を読みながら思ったのですが、材質:変成シリコーン樹脂であれば、お風呂等で使うコーキング材を使っても同じ(強度)では無いのでしょうか?
今回はセメダインスーパーXが家に有ったので使用したのですが、コーキング材を使用しても結果は同じかもしれません。
コーキング材を接着剤として使う、という考え方は今までなかったのですが、もしも効果が同程度であればコーキング材って入っている量が多いのでコストパフォーマンス最高ですよね。
ようやく駐車時に人様に迷惑にならない程度の傾きに調整完了しました。
3カ月後、苦労して取り付けた金属片が無くなっていました。
調子良く使っていたサイドスタンドですが、3カ月後に駐車時の傾きが変わっている事に気付き確認してみると・・・
苦労して取り付けた金属片が無くなっていました。
何処かへ落して来てしまったようです。
代替案は2案思いついているのですが、
第一案は、どのようにして綺麗に取り付けるか ⇔ 穴の開いた金属片を針金か何かで固定
第二案はバーナーでどのくらいの熱量があるか(何度まで金属を熱くする事が出来るか)⇔ 銅か何かを使ってロウ付け
で、思案中です。
以上、
コメント
ベルハンマー試してみたら良いと思いますよ。私は特別な感じは全く感じませんでした。
少し前の話なので何処のサイトで読んだのか、何の書籍で読んだのか出所を失念してしまいましたが、
効果があるとされる状況は極圧力がかかった状態ならば可能性はあるとの分析を読みました。
また他の情報では酸ではないけれど(当時の私が自分の為に自分なりにザックリ理解した内容なので)酸的に溶ける要素みたいな情報も読んだ記憶があります。
どちらにしても大型機械の極圧力状況ではなく一般的な通常の使用では特に違いは感じませんでした。
グリースタイプと原液タイプを試しました。
コメントありがとうございます。ベルハンマー 気になっているんですよ。
>効果があるとされる状況は極圧力がかかった状態ならば可能性はあるとの分析を読みました。
ワッシャー等を無理やり圧入するレベルでないと(他の製品と比べて)効果が感じられないかもしれませんね。
原液をエンジンオイルに混入する方法もとても気になっています。(もちろんジョーカー90には使えませんが)
トラクター様や自動車に使ってみたいとは思っています。
薄れた記憶でコメントしましたが調べ直してみました。
このサイトが分かりやすいかと思います。
https://outlaw-atsu.blogspot.com/2019/02/Chloroparaffin.html?m=1
https://outlaw-atsu.blogspot.com/2020/10/Bell-Nas.html?m=1
ささき様 ベルハンマーの記事参考になります。 使用に対してはあくまでも自己責任で。という事みたいですね。
>アルミに対して腐食が有る
という所が少し引っかかる(気になる)のですが、ジョーカー90のギヤオイルあたりで試してみたい気はしています。
それ以前に、一回カウルを外してキャブレター掃除から始めなければ・・・