ブレーキディスクの交換を 苦戦の末 何とか終え、続いてブレーキパッドの交換です。
ブレーキパッドの交換は、ブレーキディスクの交換以上に苦戦を強いられています。下手をするとブレーキディスクの交換には1カ月近い期間がかかる可能性がありますので、
先にブレーキパッドの交換手順を説明してしまいます。
- フロントホイールを取り外す
- パッドピンプラグを外し、パッドピンを緩める。
- パッドピンを外し、ブレーキパッドを取り外す。
- パッドスプリングが正しく取り付けられている事を確認する。(取り付ける向きに注意)
- 外側のパッドを取り付け、キャリパーボディを押し付けて、ピストンを押し戻す。
内側のパッドを取り付ける。 - ブレーキパッドをパッドスプリングに押し付けて、キャリパとパッドのピン穴を合わせ、パッドをキャリパにセットする。
- パッドピンを規定トルクで締め付ける。
トルク:17N・m(1.7㎏f・m) - パッドピンプラグを取り付け、規定トルクで締め付ける。
トルク:3N・m(0.3㎏f・m) - フロントホイールを取り付ける。
パッドピンプラグを外すと、その穴の中(奥)にパッドピンがあります。
この記事(作業内容)は長期戦になりました。
ブレーキパッドの取り外し方
あらかじめ、フロントホイール(前輪)を取り外し、ブレーキパッドの取り外し作業に入ります。
パッドピンプラグの取り外し
パッドピンプラグを外し、
・・・はずせません。
完全に固着しています。
キャブレターの調整ネジとかは別として、固定部分にマイナスネジって使ってほしくないですよね。
実際、今日日(現在)は、マイナスネジってほとんど見かけなくなってきています。
このネジの正体が、ブレーキディスクを固定している様な アロックネジ を使っているとしたら、かなり面倒くさい話になってきそうです。
サービスマニュアルとパーツリストで確認した所、このネジは普通のプラグ(俗に言う:イモネジ)が使われているようです。
おじさん(私)が弄る以前に、ねじのマイナス溝の形が崩れています。無理やりネジを外そうとすると、間違ってとどめを刺してしまうパターンの相手だと思われます。
ついに買ってしまいました WAKO’S の 浸透潤滑剤 ラスペネ(業務用)
以前から欲しいと思っていたのですが、潤滑剤として使うのにはお値段が高すぎます。
過去何回も固着したネジと戦ってきたのですが、ラスペネは使った事が無かったんです。
錆び付いたり固着したネジを緩める為には、ラスペネ以外ない。って言いきっている評価/口コミを信じてみる事にしました。
微細な隙間が出来る事を期待して、ネジの頭を金槌で軽く叩き 早速ネジ部にラスペネを吹き付けて様子見です。
15分後くらいにマイナスドライバーでネジの様子をうかがいつつ緩めようとしましたが、ねじが緩む様子がありません。
そう簡単にはいかないよね~ と思い、再度金づちでネジの頭を軽く叩きラスペネを吹きかけて放置。
インターネットで口コミ/レビュー/評価 をいろいろ見てみると、ラスペネでネジを緩められるまでの期間は
・10分くらいで浸透するという意見
・一晩置くという意見(この意見が多いように感じます)
〜
・朝晩金づちで衝撃を与えてからラスペネを吹き付けて一週間以上
という、様々な意見が見られました。
現状と、インターネット上の情報を照らし合わせてみると、このネジ1個を外す為に1週間くらいは時間が必用な気がします。
一晩置いただけでネジが緩めばラッキー! くらいに考えておいた方が良さそうです。
二日後明朝
我が家にある一番大きなマイナスネジを使っての作業写真です。
ネジの大きさとマイナスドライバー先端の大きさが合っていません。
マイナス溝の壊れ具合が見事に元々付いていた傷跡と一致しています。
高級な工具だろうと、100均の工具だろうと、使う相手との規格寸法が合っていなければ、道具(工具)がきちんとした仕事をしてくれないのは当たり前の話です。
このネジは工具代をケチって何とかなる相手では無さそうなので、ねじの溝をいじり壊してとどめを刺す前に、規格に合った工具を購入する事にしました。
マイナス溝の長さ:10.0mm
マイナス溝の幅:1.3mmくらい
(信用できるノギスと、シックネスゲージで測ったのでほぼ数値は合っているはずです)
さっそく発注、ポチッた製品がこちら
マキタブランドのマイナスビット
先端幅:10mm
先端厚さ:1.2mm 物のです。
荷物到着までに2日間かかりました。
(Amazon prime 対商品なので送料無料なのですが、いなかなので・・・)
広告
Amazonプライム無料体験で送料無料・お届け日指定。
マイナス溝とマイナスドライバービットのフィッティング(合わせ具合)は?
いい感じです。
ピタッとネジの溝にはまり込みます。
新規購入のマイナスドライバービットを金槌で叩き、プラグ(俗に言う:イモネジ)のみに衝撃を与えて、ラスペネを噴射!
6.35mm規格の六角ビットを使う柄は前から持っていたベッセル製の物です、
このグリップの大きさと今回購入したビットを組み合わせると、
いい感じのバランスです。押す力を入れやすい形状です。
広告
Amazonプライム無料体験で送料無料・お届け日指定。
押す力90%以上・回す力10%未満で力をかけてネジを外・・・せません。
まだラスペネさんがネジのすき間の奥まで浸透していないのでしょうか?
今回の敵(マイナスネジ)に対して力技で勝とうとするのは、あまり良い戦法では無いと判断します。まだ1週間も経っていません。
朝晩ラスペネを吹き付けと、少しの衝撃を与え続けつつ、いろいろな事を考えてしまいます。
1週間たっても、ねじが外れなかった場合は
- もう1週間ラスペネの力を信じて辛抱強くネジが緩む(ラスペネが浸透する)のを待ち続けるのか?
- フロントブレーキアッシー一式を取り外して、手動のショックレスハンマーでネジを外すか?
(その場合、ブレーキアッシーの固定方法やブレーキフルードはどうなるのか) - ネジ下あたりのアルミ部品周辺をバーナーであぶって、熱膨張/熱収縮 を利用してネジを緩めさせてネジを外すか?
(この場合更に虫を瞬間冷凍させるようなタイプの殺虫剤をネジにかけて、母材のアルミは膨張させて、取り除きたい鉄製のネジは冷却収縮させて、無理やり何とかしてしまおうか?・・・この場合瞬間冷凍させるようなタイプの殺虫剤が、可燃性ガスを噴射するから・・・・) - 結局は昔ながらの方法で、このネジを壊しても構わないという決心の下、たがねを使ってネジの端を壊しながらも無理やりネジを取り外してしまおうか?
悶々とした日々を過ごして6日目の夕方。
マイナスドライバービットの先がしっかりとネジのマイナス溝にはまり込んでいる事を確認して、思い切り押し込みながらドライバーを回すと!
なんということでしょう。今までの苦労は何だったの?というくらい簡単にネジが外れました。
広告
Amazonプライム無料体験で送料無料・お届け日指定。
いやぁ~ 時間が解決してくれるって事があるんですね。
外したネジのサイズはM10×5 くらいです。
デザイン的にネジを飛び出させたくなくてマイナスネジを使ったのではないかと勝手に想像しています。
オリジナルを尊重してジョーカー90を直しながら乗っていくつもりですが、このネジは六角穴付き止ネジに交換しておいた方が良い気がします。
おじさんがちょっと調べて見たところ、六角穴付き止ネジのM10規格の一番短い物は10mmっぽいです。
M10×10mmのネジに交換するとオリジナルデザインから5mmネジが飛び出しますが、こんなところを細かく見る人間は余程のマニアックな方だけでしょう。
1週間近くかかってようやく一つのネジが外れました、後はサクッと作業?
パッドピンを緩める
パッドピンプラグを取り外すと、パッドピンのネジ穴と対面する事が出来ます。
幸い、パッドピンプラグの頭は六角穴付きです。
ここはサクッと六角棒レンチで取り外しが・・・・出来ません。
六角棒レンチがたわむほど力を入れてもパッドピンが緩みません。
あ~っ、もう、・・・いらつくわー こいつら
しかも 信用できる寸法の六角棒レンチ ボンダス/USA の対辺5mmで作業を始めると、ねじの頭の六角溝の中で工具がグラついています。
こいつもやばいやつ(相手)です。
中途半端な工具で外そうとしてネジの頭の六角部を丸く変形しかけているやつっぽいです。
力で無理やり開けようとしたら、ひねくれちゃう(ねじの頭の六角溝が丸く変形しちゃう)タイプの子です。
ひょっとしたら、このジョーカー90の、前(前の前~・もっとまえ?)のオーナーさんが、ブレーキディスクは外せたので交換したけれどブレーキパッドが外せなくて未交換だった。
という事も考えられます。
・・・・やっぱりラスペネ様に頑張って貰うしかないのかなぁ~
(ラスペネと呼び捨てにしていたのが、ラスペネ様に替わっています。)
作業段階としてはまだ始まったばかりなのですが、気分としては
延長戦に入りました。って感じです。。
ラスペネ様を吹き付けて、再度長期戦に突入です。
ラスペネ様を吹き付ける場所は4ヶ所
- ネジの頭
- ネジの頭の裏側
- ブレーキアッシーの内側(タイヤ側)の表と裏(この部分はネジでは無いのですが錆で固着している可能性があります。)
翌日、ふと思いつきました。
ネジの頭の部分はラスペネ様を吹き付けた後、流れ落ちないようにパッドピンプラグで栓をしておけばより効果が高まるのではないか?
早速試してみます。
ラスペネ様を吹き付けて、流れ落ちる前にパッドピンプラグをねじ込みます。
都合よく考えれば、スプレーで拭き抱いた液体の空気(泡)は圧縮されるとして、液体は逃げ場が無くなって固着したネジのすき間に入っていくしかない!という理屈(屁理屈?)です。
毎日 朝 晩 2回 パッドピンプラグを外し、ねじを叩いて衝撃を与え、ラスペネ様を吹き付けて、すかさずパッドピンプラグで栓をするという作業を続けます。
パッドピンの取り外しも、多分 時間が解決してくれて、1週間か10日後には取り外しが出来そうな気がします。
空いた時間があると他の事にも頭が働きます。
ブレーキパッド交換手順の中でサービスマニュアルの中で
外側のパッドを取り付け、キャリパーボディを押し付けて、ピストンを押し戻す。
という表記があるのですが、手の力でピストンを押し戻すことなどできるのか?
手の力でピストンを押し戻せなかったら、C型クランプで圧入すれば良いだろうと安易に考えつつ、写真撮影と パッドをいじりまわして見ました。
ブレーキパッドはほぼ無くなっているのは何となくわかってはいたのですが、
ピストンがサビています。
こんな錆びたブレーキピストンを押し戻していいのか?
➡たぶん このままブレーキピストンを押し戻すとピストンシールか何かを傷つけてしまい、いつかブレーキオイルが漏れ出てくる結果になりそうです。
ブレーキレバーを握って、ある程度ブレーキピストンを押し出して表面を綺麗にしてあげた方が良さそうですが、どのくらいの位置までピストンを押し出して良いのか?
・ブレーキオイルが漏れないのか?
・ピストンシリンダーの内壁も錆びていると考えた方が良さそうだけれどどうするか?
- 全バラして(全部分解して)、
- 採寸して、どこまでヤスリをかけて良いのか判断して、
- 掃除して(サビ落としをして)、
- 組み立て直さなければいけないのか?
そう考えると、中古のブレーキキャリパーを探してきて全バラしてオーバーホールした方が効率が良さそうです。
その間は、せっかく交換したブレーキディスクを元の物に戻せば、ジョーカー90に乗る事が出来ます。
ヤフオクでポチってブレーキレバー部からブレーキキャリパまで、一式落札しました。
ブレーキレバー部と、ブレーキキャリパ・油圧ホース一式 別での落札なのでブレーキオイル抜き取り済みの物です。
で、
OH(オーバーホール/部品単位まで分解して掃除調整後再組立て)前提でディスクブレーキ全体の中古品を落札した翌日の夕方に、パッドピンを緩める事が出来てしまったという、
あるあるパターンです。
(*追記:パッドピンプラグを外し、パッドピンを緩める 工程は、車輪が付いている状態で一度行った方が効率が良いです。
➡車輪を外した後では、油圧ブレーキ部が固定されていないので作業に必要な力が入れにくくなります。)
これからどうしようか?(考えているうちに)
パッドピンを緩める事が出来てしまった翌日には、中古品・現状渡しの ブレーキレバー部と、ブレーキキャリパ・油圧ホース一式 が、手元に届きました。
・・・・・
事情(状況)が変わりましたので、ブレーキディスクは元の物に戻し、ブレーキパッドの交換はせず再度同じ物を組付けて、安全運転をしつつ、
新規購入(中古品落札)した ブレーキレバー部と、ブレーキキャリパ・油圧ホース一式 をオーバーホールして使用する事とします。
とはいえ、
ここまで記事を書いてきたので、
ブレーキパッドの交換手順を疑似的に行い説明を続けます。
パッドピンを外し、ブレーキパッドを取り外す。
パッドピンを緩めて抜き取ると、ブレーキパッドが外れて下に落ちます。
外したブレーキパッド
ブレーキシューがほとんどありません。
内側のブレーキパッドに板状の金具が取り付けられています。
ブレーキパッドの新旧比較
ブレーキパッドに掘られている溝は、放熱やブレーキの効き目向上のためだと思い込んでいたのですが、サービスマニュアルを読み込んでみると、
ブレーキパッドの溝は摩耗限界溝(摩耗限度溝)らしいです。
溝が無くなった時点で使用限界になっているのですぐに交換すべき状態です。
ブレーキパッドの取り付け方
ブレーキシムの移植(再利用)
この項目について、ホンダ・Joker50のサービスマニュアルには何も書かれていません。
しかし、パーツリストには記載されています。
部品番号:43113-GA4-006 シム(A) 平成8年10月時点での希望小売価格¥240
内側のブレーキパッドに、シムと呼ばれる板が取り付けられています。
古いブレーキシューからシムを取り外し。
新しいブレーキシューにシムを取り付けます。
ブレーキシムは、ブレーキ鳴きを抑える(振動低減の)ために取り付けられている部品です。
おじさんの記憶が確かであればブレーキシューの背面とブレーキシムの間にブレーキシムグリスを塗って装着するはずです。
今回は疑似的な説明のための写真撮影なので古いグリス状の物が付いたまま新しいブレーキシムに装着しました。
別件で進めているブレーキキャリパーのオーバーホールが終わるまでには詳しい事を調べておくことにします。
パッドスプリングが正しく取り付けられていることを確認する(取り付ける向きに注意)
パッドスプリングの取り付け向きは右の写真の状態です。
パッドピンを差し込む側のR(外径というか曲がり具合)にはまり込む曲がり部分が下側です。
外側のパッドを押し付けてピストンを押し戻す。
サービスマニュアルには上記のように記載されているのですが、実際手の力だけでピストンを押し戻す などと言う事が出来るのでしょうか?
50歳代後半のおじさんの握力では無理です。
ここは文明の利器、C型クランプを使って圧入します。
ダイソーで購入した安いやつです。
古いブレーキパッド(傷ついても問題が無い物)をブレーキピストンに当てて、ブレーキピストンの中心当りにC型クランプの片方を当てつけます。
C型クランプのもう一方をブレーキキャリパの大きな丸い部分の中心当りに当てつけてネジを締め込み、ピストンを押し戻します。
ブレーキキャリパに傷がつく事が心配な場合は、ウエス(ぼろ布)などをはさんで養生しながら作業します。
ブレーキパッドをパッドスプリングに押し付けて、キャリパとパッドのピン穴を合わせ、パッドをキャリパにセットする。
ブレーキキャリパの上の溝にブレーキパッドを差し込みセットします。
ブレーキパッド下部をパッドスプリングに押し付けてキャリパとパッドのピン穴を合わせて、パッドピンを差し込みます。
内側のブレーキパッドも同様に取り付けます。
パッドピンを規定トルクで締め付ける。
パッドピンの規定トルクは
トルク:17N・m(1.7㎏f・m)です。
パッドピンプラグを取り付け規定トルクで締め付ける
パッドピンプラグの規定トルクは
トルク:3N・m(0.3㎏f・m)です。
フロントホイールを取り付ける
この後、ブレーキレバーを何回か握って離す動作を行い、ブレーキが効く事を確認します。
以上、
コメント