20世紀末(1996~1997年)に製造された、ホンダ・ジョーカー90の修理ですが、約30年前の車体のため部品入手が非常に困難になっています。
正規の修理の場合ブレーキフルード確認窓単体では交換できない事になっていて、
フロントマスターAssyを交換する事になります が、
純正のフロントブレーキマスター(ニッシン)は、既にメーカ在庫が無く新品を入手する事が出来ません。
でも大丈夫!
2024年現在では、ブレーキフルード確認窓 単体でインターネットで購入できます。
*ブレーキフルード窓の交換は、サービスマニュアルなどには載っていない・メーカー推奨ではない方法です。
あくまでも自己責任での交換となります。
中古で購入した、油圧ブレーキのフロントマスター(ニッシン)のオーバーホールを行っているのですが、この記事ではブレーキオイル確認窓の交換作業を写真で紹介します。
ブレーキフルード確認の窓が曇って(ひび割れて)オイルの量が確認できない。
過去の記事を振り返ってみると2022年1月の時点では、オイル確認窓が曇ってはいるのですが車体を揺らしてみるとオイルの量が(なんとか)確認できていました。
しかし、2年以上たった現在(2024年5月)は、オイル確認窓の劣化がひどく 車体を揺すってもオイルの量を確認する事が出来ません。
(そもそも、ブレーキオイルは2年に一度くらいは交換すべきものです))
このブログは、直しながら乗る コンセプトのブログで始めたのですが、油圧ブレーキ 一式を修理する間ジョーカー90に乗れないのは不便なので(軽トラックで移動すれば良いだけの話ですが、狭い田んぼ道でのすれ違いを考えるとバイクの方便利なんです)
格安でフロントブレーキ一式をヤフオクで落札して修理しています。
*余談:格安でフロントブレーキ一式を入手したのですが、安い物は安い訳がある訳で・修理の苦労が増えます。
出来れば多少高くても程度の良い状態の部品購入をお勧めします。
安い物を購入して苦労する内容は改めて別の記事で紹介します。
ヤフオクで落札した格安の油圧ブレーキのフロントマスター(ニッシン)を分解・掃除した状態の写真です。
例にもれず、ブレーキオイル確認窓は曇っていて中にブレーキオイルが入っていても確認ができなさそうな状態です。
ブレーキオイル確認窓の交換は、フロントマスターが車体に付いている状態でもオイルを抜いて作業すれば出来ない訳では無いのですが、写真のように車体から外した状態で行えば多少は楽に作業が出来ます。
(ブレーキオイルをこぼすと、塗装面を痛めてしまいます)
交換用ブレーキフルード確認窓の発注
先にも書いたのですが、ブレーキオイル確認窓 は、ホンダ純正の物は販売されておらず、交換したい場合は
・シリンダーサブASSY、フロントブレーキマスター(ニッシン)
部品番号:45510-GCK-006 平成八年のパーツリストでの価格¥9,800 を交換する事になります。
既にメーカー在庫が無い為、純正部品の事を細かく書いてもしょうがないのですが、
例えば、現在純正部品が入手出来て交換をバイク屋さんにお願いしたら、費用は工賃込みで¥30,000くらいは かかってしまうと思います。
(純正部品の価格は平成八年のパーツリストの価格と比べて1.2~2倍の価格になっています)
そこでおじさん(私)が見つけ出した製品がこちら
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交換したい部分は一ヶ所なので一組入手出来れば良いのですが、他の物も調べてみた結果 5セットの物を入手しました。(価格と個数で判断)
5セットもいらないのですが、考え方を変えれば 3~4回失敗が許されるという心の余裕が生まれます。
購入したブレーキオイル確認窓の検品
5セットのオイル確認窓が一つの袋に入っていたので少々傷がありますが、このくらいの傷は気にしない事にします。
届いた製品の5個 すべての製品にバリがありました。ここは綺麗に成型する必要がありそうです。
写真では中心の金具が斜めになっていますが、この部分は軽くはめ込んであるだけなので 指で軽く押し込むと綺麗にはまりました。
交換用ブレーキフルード確認窓の交換作業
ブレーキオイル確認窓の交換で大変な作業は、今ついているブレーキオイル確認窓の取り外しです。
ブレーキオイル確認窓の取り外し
ブレーキオイル確認窓を取り外す方法として、内側から窓を押し出す方法を考えてみました。
ソケットレンチセットの対辺8mmの ラチェットレンチに差し込む側 が、丁度良さそうな寸法です。
フロントブレーキマスターの外側に当て木を当ててFクランプで押し出そうとしましたが、
ビクともしません。
一旦落ち着こう、俺。
休憩ついでに。YouTubeを見てみると、
皆さん 古い窓を取り外すときには外側から窓を壊して、無理やり引き抜いているようです。
YouTube 便利ですね。勉強になります。
細いドリルで窓の中心あたりに穴を開け、太いドリル(8mm)のドリルまで穴を広げました。
ドリルで穴を開けた時に、丸い穴が開かず窓のヒビに沿ってボロボロと崩れて穴が開きました。
この状態を見るとこの後も簡単に穴を広げられると思ったのですが、
マイナスドライバーを使い窓を壊していきましたが、思いのほか窓が頑丈でなかなか窓を壊して取り外す事が出来ません。
窓の表面だけは何とか取り外せましたが、ここから先がなかなか取り外せません。
ここでふと最初の作業案を思い出しました。
窓を壊しても良いのであれば、最初の案で(圧力をかけてじわじわと取り外すのではなく)叩き出せば簡単に外せそうな気がします。
8mmのソケットをオイル確認窓の内側にはめ込み・バールの平らな部分を当てて・ゴムハンマーでバールをコンッと叩くと、簡単に窓の奥の部品が取れました。
(最初からこの方法でやっていればこの後の作業も簡単に出来た可能性もありそうです)
外れたのは、オイル確認窓の奥の金具と樹脂部品の途中までです。
オイル確認窓の
外の金具・樹脂部品の一部・Oリング はまだ取り外せません。
マイナスドライバーを使って無理やり取り外そうとしても引っ掛かる場所がありません。
でも、大丈夫!
先ほど休憩中に見たYouTubeにヒント(コツ)が紹介されていました。
一番奥のOリングを先に外せば、後は簡単に外れるはずです。
写真では少し特殊な工具を使っていますが、このOリングは再利用しない予定なので、傷つけてしまっても大丈夫です。
安全ピン・プッシュピン・楊枝・竹串 等のとがった物でOリングを突き刺して内側に引っ張り出せば簡単に外れると思います。
(ちなみに、今回取り外したOリングは硬化している様子もなく形も正常で再利用できるんじゃないか?と思える状態でした)
Oリングを抜き取った溝にマイナスドライバーを差し込みオイル確認窓の外枠を取り外します。
*この時の作業のコツ
てこの原理でオイル確認窓の外枠を外すのではなく、Oリングが入っていた溝を広げるようにマイナスドライバーを回すと簡単に外枠を外す事が出来ます。
オイル確認窓を取り外した後、パーツクリーナーなどを使って汚れを除去します。
*注意
パーツクリーナーなどの揮発性の高い溶剤を使う時には必ず安全メガネをかけて作業しましょう!目に入るとシャレにならない痛みを受けます。
(学習能力が低かった若い頃、何回同じあやまちを犯して痛い目に合った事か・・・)
ブレーキオイル確認窓の取り付け
ブレーキオイル確認窓の取り外しができた(ここまでの作業が出来た)方にとっては、もう八割方作業が終わっています。
ブレーキオイル確認窓のバリ取りをして形を整えます。
新しいOリングを先に挿入して、ブレーキオイル確認窓を圧入します。
(後述しますが、このオイル確認窓はガラス面が平で、外の金属枠よりも内側にありますので当て木をして叩き込んでも良さそうです)
オイル確認窓の外枠を均等に押えて圧入する為には、ソケットの13mmの物が丁度良さそうな寸法です。
ブレーキマスターを傷つけないようにあて布をして、Fクランプでオイル確認窓を圧入します。
失敗しました。
*作業後に気が付いたのですが、Fクランプを使う方向を間違えて使っています。
(詳細は後述します)
この状態はまだきちんと圧入できていない状態なので
先述した、
8mmのソケットをオイル確認窓の内側にはめ込み・バールの平らな部分を当てて・ゴムハンマーでバールをコンッと叩く
という方法で簡単に取り外しができました。
外したオイル確認窓はおかしな変形などは無さそうなので、同じ部品を使って再度、オイル確認窓の挿入を行います。
しかし(Fクランプを間違った使い方をしている為)オイル確認窓が真っ直ぐに圧入できません。
仕方が無いので、圧入する位置を変えながら少しづつ押し込み最終的に平らに圧入する。という方法を取りました。
仕上がった状態はこちら
オイル確認窓の内側の鉄板の穴位置が最初の設定とは違ってしまいましたが、この部分はこれで良しとします。(ある程度の妥協はしょうがありません)
はめ込んだ状態でオイル確認窓が少し出っ張っています。
純正部品を外す前の状態では、
フロントブレーキマスターと、オイル確認窓の位置はツライチ(面一/同じ面の位置)だったのですが、この社外品のオイル確認窓は少しだけ出っ張っています。
しかし、窓越しに見えるOリングの潰れ具合を見ると、しっかりと奥までオイル確認窓がはめ込まれている事がわかります。
以上でオイル確認窓の取付完了です。
オイル確認窓の挿入は圧入するべき だとは思うのですが 今回作業してみた感触では、当て木をしてハンマーで叩き込んでも作業可能な気がします。
まとめ & 余談
バイクの油圧ブレーキマスターの窓が劣化してしまい、中のオイル量が確認できなくなった場合の(正規代理店の)バイク屋さんの修理方法は油圧ブレーキマスター本体を交換です。
ブレーキオイル確認窓 単体での販売・修理は行なっていません。
メーカー推奨の方法がこの方法なので、正規販売店であればメーカーさんの言った通りの修理を行わなければいけないのだと推測します。
しかし、現在はインターネットで個人がブレーキオイル確認窓だけを購入する事が出来ます。
少し手間は掛かりますが、自己責任でブレーキオイル確認窓を交換する事が可能です。
油圧ブレーキマスターが車体に付いたままの状態でも、中のオイルを抜いて作業を行えばブレーキオイル確認窓の交換修理が出来そうです。
(ひょっとしたら、メーカー正規代理店/認定店 ではない店であれば オイル確認窓の交換をして頂ける店もあるのかもしれませんが、いなかのおじさん(私)が調べた範囲ではそのような修理を行ってくれる店は見つかりません)
余談:Fクランプを使用して真っ直ぐにオイル確認窓を圧入できなかった理由
作業が上手くいかなかった場合は、必ず理由があります。
例えば
- 使用する工具の選定が間違っている。
- 部品や工具のいずれかの形が正確でない。
- 使用する工具の使い方がまちがっている。
- 工具などを真っ直ぐに使えていない。
- 作業を行う人の
姿勢(力を入れる向き)が悪い(曲がっている/傾いている)か、
性格が曲がっているか、へそが曲がっている。(冗談です)
今回の失敗の理由は
3.使用する工具の使い方がまちがっている。 です。
工具や治具の選定は間違っていないと思うのですが、Fクランプの使い方を間違えています。
ここで使っているFクランプは、先のほうは固定された平面なのですが、ねじ込んで力を込める部分は自在(自由)になっていて、押し込みたい相手に合わせて押し込む面が自由に曲がってしまします。
この作業の時にFクランプの向きを逆に使っていれば、正確に(直角に/穴に対して真っ直ぐに)圧入できていたと思われます。
以上、
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